2010年1月5日

貸金業法改正の背景

平成に入り、カード破産が社会問題となった後も、貸金業法の改正はなかなか行われませんでした。

その一方で、さらに貸金業は肥大化し、巨大マーケットを形成していました。

日本における貸付残高は実に14兆円以上に膨れ上がり、利用者数は1500万人に達しているといわれています。

日本の人口の1/8に該当する数字です。

極端な事を言えば、日本人の実に8人に1人は何らかの形で金融業者から借金をした経験があるということになります。


こういった金融業界の市場マーケットが拡大したことも、貸金業法改正の大きな背景となりました。

あまりにも利用者が増えたことで、当然それに比例してヤミ金融の被害者の数も大幅に増え、警察、行政としても、自己責任という形で片付けられる問題ではなくなったとようやく重い腰を上げるに至ったのです。


また、数だけでなく、その質も悪化の一途を辿り、それも改正の要因となりました。

というのも、多重債務が非常に多くなったのです。

通常、多重債務というのは起こり得ないものでした。

というのも、基本的にこの多重債務というのは、借金を抱えている人がさらに借金をする事で発生するというものです。


ですが、普通はまだ他の会社の借金を返済していない人に対してお金を貸すというのは、リスク管理の面から言ってもまずあり得ませんでした。

そういった人にも貸し出すヤミ金融が増えたことで、多くの多重債務者が増えたのです。

これでは、沢山の人が借金で潰れてしまうということで、法律の改正に踏み切ったのです。

これが、貸金業法改正の背景です。